無事に初日を終えました。ご観劇の皆様、ありがとうございました。
ゲネプロが終わり、本番を迎えると客席にあった演出席は片付けられ、
演出者は、作品を舞監と俳優に委ねて劇場の隅っこで見守る
しかなくなります。
緊張の中にあって嬉しくもあり寂しくもあり、
まるで土を集めて捏ねるところから手をかけ続けた造形物を窯入れする
心持ちです。
「舟に積まれたこの夢は、海の底の白鳥か、波間に浮かぶ蜃気楼か」
また再び夢を見んがために、次の舞台に向かっていくのでしょうね。
とにかく今は、楽日まで俳優やスタッフが無事に泳ぎ通せるよう、
87年前の築地小劇場を思い描きつつ、小山内氏、土方氏、七人の水兵、
旗揚げ公演を支えた全ての人々に
手をあわせております。(やなぎ)