部分的な稽古の後、通し稽古が行われました。今まで部分的に作ってきたものをひとつに繋がる瞬間に立ち会い、震えるような感動を覚えました。演劇の創作はたくさんの人が関わり、ひとつの作品を完成させるために同時多発的にさまざまなところで創作が行われていきます。通し稽古では、まだまだ手を加えなければならない場面も多い状態でしたが、各人のエネルギーが溢れ出していました。それが劇中の築地小劇場の黎明期とリンクし言い知れぬ興奮を覚えざるをえません。村山知義がこのラインハルト・ゲーリング作「海戦」を見て「魂がでんぐりがえるほど驚いた」のは、このことなのでしょう。
通し稽古のあとは、本番が行われる大スタジオにて映像の打ち合わせが行われました。有能なスタッフさんと不眠不休にも関わらず、集中力を切らさず演出をつづけるやなぎさんによって無駄なく進行する打ち合わせは圧巻でした。映像や小道具も目下制作中。完成が楽しみです。創作と引用と史実が交錯する『1924海戦』。築地小劇場とKAATのシンクロはどんな作品を創りだすのでしょうか。公演初日まであと20日間。乞うご期待。
(アシスタント小林)